こんにちは、じゅんです。
Webマーケティングの知識を活かして、フリーランスとして活動しています。
突然ですが就活中のあなた、面接がイヤでイヤで仕方ないと思うことはありませんか?
私は、本当にイヤでした。まず、人の目を見て話すことができません。質問されると考え込んでしまって、変な沈黙が訪れます。グールプディスカッションとかもう、人の話にどう割って入っていいか分からず、お地蔵さんのように固まっていました。
そんな私は、慶応大学時代、就活で全滅。早稲田大学大学院でリベンジしても全滅でした。「あ、僕は社会から必要とされてないんだ」と感じ、親からは「大学院まで行って就活失敗かよ」とさげすまれ、自己嫌悪がピークでした。
私が就活で失敗した理由をひと言で表すなら、「私が内向型だから」ということです。
心理療法士のマイティー・O・レイニー博士は『小心者が世界を変える』の中で、内向型には次のような傾向があると述べています。
・深く付き合っているひとだけを友だちだと思っている
・話したり行動したりする前に、考えることが多い
・人前で、またはプレッシャーがかかったときに、頭が空っぽになることがある
など
私は内向型に関する書籍をほぼ全て読み込んだ結果、面接という選抜方法は内向型人間にとっては不利だと考えています。
その理由をご説明し、後半では内向型が就活を乗り切るための戦略についてもご紹介していきます。
内向型が就活の面接で不利な理由
1.考えがまとまるまで話さない
面接の会話では、テンポの良さ、ノリの良さが求められます。
でもそんな、ハキハキしゃべるのなんて無理じゃないですか。
「あなたが学生生活で一番苦労したエピソードは?」とか言われても、そんなの恋愛とかプライベートなことは言えないし、論文執筆とかそういうインドアな苦労を言ってもダメですよね?じゃあ何を言えばいいんですか?っていう話です。色々考えてたらしどろもどろにもなります。
レイニー博士は脳科学の観点から、次のように指摘しています。
言葉の検索は、内向型の人にはむずかしい場合がある。彼らの情報はゆっくり流れているからだ。その原因のひとつは、わたしたち内向型が長期記憶を使うということにある。そのため、求めている正確な語を見つけるのに長期記憶を探らねばならず、それには時間がかかるし、適切な連想(その語を思い出させる何か)が必要となるのである。
『小心者が世界を変える』
そう、すでに器質の面から、内向型と外向型は異なっているのです。しゃべりながら徐々に考えをまとめていく外向型に対し、内向型はじっくり考えてから話す、あるいは文章で表現する性質があります。
内向型が面接に挑むというのは、身長160cmでバスケ選手を目指すくらい不利なフィールドで戦っていると言えるでしょう。
2.長所のアピールが苦手
就活の面接というのは、自分の長所をアピールするゲームと言えます。
確かに、実際よりも自分を優れた存在に見せる能力は、企業が自社の商品やサービスを売り込む能力と共通するものがあるでしょう。なので、企業がアピール力を評価する点はわかります。
しかし、商品もセールス力だけでは利用者の満足度は上げられず、長くは続きません。逆にポテトチップスやiPhoneくらい商品の質が高ければ、宣伝を打たなくても勝手に売れていきます。
私のような内向型は、自分の欠点を率先して見つけ、それを改善することで能力を高めていきます。なので、欠点を見つけるのは得意でも、長所を見つけることが不得意です。
さらに、内向型は自分の発言を自分で疑う性質、良くいえば「知性」があるので、自分を誇大にアピールすることに気恥ずかしさを感じてしまうのです。
面接はセールス力だけを評価し、内向型が持つさまざまなな能力、たとえば企画力、継続力、情報処理能力などは軽視されます。
3.行動が少ないため、エピソードが少ない
私は現代の就活は「エピソード至上主義」に毒されていると考えています。面接は「受験者が何者か」を見るものですから、当然、自分のエピソードを淀みなくしゃべれると優位に立てます。面接の指導でも、必ず「エピソードを盛り込みなさい」と言われます。
しかし、内向型はインドアだったり、日々のルーティンを大切にする傾向があります。なので、エピソードの絶対量が少なく、しゃべるネタが少ないはずです。
もちろん、エピソードのひとつひとつに意味を見いだす感受性はあるのですが、そこまで深い洞察は求められていません。
極端な例ですが、
「近所を散歩していて、色付きはじめたイチョウを見たときに、全ての物は移り変わっていくと悟りました」
というエピソードより、
「アメリカと中国とフランスに留学に行って、ホームパーティーに行きまくって、異文化交流を楽しみました」
というエピソードの方が絶対に面接官に受けますよね。ひとつ目のエピソードは面接官にドン引きされるだけでしょう。
「エピソード至上主義」の現代就活において、行動量の少ない内向型は不利なのです。いっそ、SPIやペーパーテストだけで合否を決めた方がフェアではないでしょうか…?
内向型が就活を乗り切る戦略
1.面接の準備を万全に
内向型は即興での受け答えを苦手とする一方、完璧主義的で不安感が強いという特徴を活かして、しっかりとした準備を行うことができます。
就活の面接では志望動機と自己PRは必ず聞かれるため、最低でもこの2つについては文章に起こすなどしながら推敲しましょう。
事前準備の精度を高めるためにも、「数打てば当たる」方式よりも、エントリーする企業数を絞り、その企業を徹底的に研究する一点突破型の方が合っているかもしれません。
私も企業は絞り、自己PRなど考えていたのですが、どうしても適切なエピソードが思い当たらず、苦戦していた記憶があります。じっくり考えても自己PRができな場合には、そもそも志望する業界と自分との親和性が低い可能性があります。心をすり減らす前に、方針転換を繰り返すのが私のおすすめです。
2.好きなことだけを話す
これは、音楽プロデューサーの四角大輔さんが、ソニーミュージックの面接で行っていたことです。
四角さんも人前が苦手で、挨拶でもドモるほどでしたが、就活の面接では大好きだった「釣り」について熱弁し、その結果採用を勝ち取ったそうです。
新卒用の応募用紙の裏側の真ん中に、「ここのスペースを使ってあなた自身を表現しなさい」とあったのだが、ぼくはその真ん中に、初めてフライフィッシングで釣った天然のアマゴの写真をドンと貼り、その魚と出会うまでのノンフィクション・ストーリーを書いて、音楽とはまったく関係ないのに、なぜかそれが絶賛された(笑)。
そして、難攻不落で回数が多いことで有名な面接では(6〜7回あった!)、釣りの話しかしなかったのに、なんと合格した。
https://4dsk.co/article/6244/
内向型は話すのは苦手ですが、「自分が好きな分野については饒舌になる」という特徴があります。その特徴を活かし、エントリーシートでも好きな分野のことばかりを書き、その分野に関する質問を誘発するのは手です。
ただし、その好きな分野がパチンコや純文学など、企業受けしづらいものの場合は、逆効果になることもあるでしょう。
3.面接以外の入社ルートを模索する
私が最もおすすめなのが「裏道」を探すことです。面接以外の入社ルートといば、たとえば「インターンシップから入社する」「アルバイトや契約社員から入社する」という方法です。
内向型は、とにかく潜り込んでしまうのです。面接という数10分間の一発勝負では、外向型の方が第一印象がよく、自分をアピールすることも上手なので有利です。
しかし、その数10分が1週間、1ヶ月、半年・・・と長くなっていくと、内向型と外向型の人の評価は均衡していき、やがて内向型が追い越すポイントが訪れるでしょう。継続力や誠実さのある内向型は、長期的には大きな結果を出すことができるのです。
今の就活の正規ルートは、面接やグループディスカッショによる選考ですが、そのゲームから一度降りて、非正規ルートからの入社を目指してみましょう。インターンやアルバイト、契約社員なら、入社のハードルはぐっと下がります。
ただし、この方法のネックは「世間の目」です。大学の友だちや親からすると、就活の時期にインターンやアルバイトばかりしていてると、就活をあきらめた負け犬のように見られるかもしれません。
私も、大学院修了間近にアルバイトの数を週4くらいまで増やし、ゼミの先生から心配されました。
しかし、結局アルバイトでニュースメディアの編集をがんばり、実績ができたことで、広告制作会社で正社員になることができました。そのインターンやアルバイトの会社で正社員になれなくても、実績を作れば新たな道は開けてきます。
まとめ
就活のまっただ中にいて、「陸に打ち上げられた魚」のようになっている内向型のみなさん。私はみなさんの味方です。
就活というのは、内向型の人生の中でもトップクラスに大きな試練です。しかし、ここを乗り越え、持ち前の継続力でスキルを蓄積していけば、転職市場では十分な価値を発揮できるようになるでしょう。
たとえ就活に失敗しても、スタートが数年遅れたくらい、長いキャリアを考えるとたいしたことはありません。さらに、今の日本はもはや終身雇用ではありません。転職市場は活発化し、ファーストキャリアの重要性は下がりつつあります。
みなさんの、就活での成功を祈っています。成功しなくても、なんとか「切り抜け」られれば上出来です。がんばってくださいね。
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